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真のデッドヒート

陸上日本選手権。

北京五輪の選考会を兼ねた大会には、
日本の有力選手が顔を揃える。

女子10000mの熱き闘い。
見る者にも熱いものが伝わってきた。

 

このレースで五輪行きを確定できるのはただひとり。

A標準記録を持っていて、なおかつこの日優勝すること。

レースは序盤から、前評判通りに”3強”が支配。
中盤からは実質3人だけでの勝負となった。

だから見るものにとってはたまらなく面白いレース。

 

マラソンを諦めてトラックで念願の五輪を目指す渋井。

出産後に現役復帰、ママさんランナー初の五輪を目指す赤羽。

レース前も常に笑顔で7連覇を狙う第一人者の福士。

 

陸上素人のBAYでも知っている役者3人が、
お互いに手の内を知り尽くしている3人が、
たったひとつの五輪確定枠を目指して走る。

 

レースは結局最終周までもつれ、
最後の直線で渋井が逆転して確定枠を勝ち取った。

ゴールした瞬間、身震いがするほどの好レース。
たまたま見ていたことを幸運に感じるほどに。

 

中盤は渋井が先頭でハイペースを作る。
ラストスプリントの勝負では福士に分があるため、
見事なペースコントロールで相手の消耗を狙う。

序盤を引っ張った赤羽も全く譲らない。
少しでも隙があれば前に出ようと、
差の無い2番手で続く。

そんな2人を観察するかのように、
福士は3番手で磐石の構え。
このままゴール前まで粘れば、
ラスト勝負なら勝てると思っているのか・・・。

 

と、残り2000mで福士がロングスパートをかける。

ここからが猛烈に面白い。

その福士に一瞬離されそうになるものの、
まずは赤羽が、そして渋井もくらいつく。

結局、福士ー赤羽ー渋井の順に変わっただけ。
スパートを掛けたのに引き離せなかった福士の心境やいかに。

 

そして最終週、赤羽仕掛けてが福士を置き去りにする。

その赤羽に渋井はついていく。

必死に引き離そうとする赤羽を渋井がピッタリとマークしたまま
最終コーナーを回った時点で勝負有り。

余力で上回る渋井がピースサインでゴールラインを越えた。

 

レース後、3人は笑顔で抱き合い、
笑顔で余韻を楽しんでいた。

 

何が面白かったのか、
何が感動的だったのか。

それは、3人ともに”待ち”の姿勢ではなく、
自ら仕掛けあっての勝負だったからだ。

勝者のみに与えられる五輪出場確定枠。

スローペースに持ち込んで最後に抜け出そうとか、
ライバルに前を走らせて消耗させようとか、
見ている方がたいくつになりそうな展開とは対照的。

実力のある3人が自ら仕掛け、
ハイペースで競い合い、
力を出し切っての勝負。

日本選手の中で、この3人の力が突出しているのは
火を見るよりも明らか。

それを存在してくれたことに、このレースの意味が
あるのだろう。

だから負けた二人にも、どこか満足感が漂うのだろう。

 

今日確定したのは渋井だけ。

でも、A標準突破者なら最大3名をエントリーできる。

毎回3名出場しているこの種目。

これだけの力を見せつけてくれた3人を、
是非五輪に連れて行って欲しい。

陸上がすんごく好きなわけじゃなくっても、
誰しもが魅了される時がある。
なんで陸上ってこんなに単純なのに、
こんなに面白く感じるんだろう?

これって、誰でも”走る”っていう単純な競技を
幼い頃から経験してるからなんだろうか。

走る感覚、息が上がる苦しさ、人と競る楽しさ、
レベルは違えど誰にでもある経験とわかりやすさ、
それが陸上の魅力なのかもしれない。

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